薬剤管理自動化マガジン

2017年02月号 vol.1

麻酔用薬剤の返却処理の問題(サリーナスバレーホスピタル)

2017年02月06日 06:58 by kitcheck
2017年02月06日 06:58 by kitcheck

Salinas Valley Memorial Hospital

麻酔薬の素早い補充と回収

 

 

 

状況 | 費用の削減と患者のリスク

 

269床を持つカリフォルニアの救急病院であるサリーナスバレーメモリアル病院では麻酔用薬剤の返却処理の問題に直面していました。夜間勤務の専門職員が薬剤を満載したカートを押しながら各手術室を巡回して、各部屋の麻酔薬の棚をチェックしていた。各部屋の棚には数量を管理している小型の引出しと、高さ2.5mの区切られた棚に数量管理をしない薬剤が保管されていた。  "この作業手順では時間の無駄が多く不確実で、このままでは期限切れ薬剤の見過ごしなどの色々な問題が発生する事が確実だ"と、薬剤科部長のマイケル・ブラウン医師は語りました。

 

ブラウン医師は、"現在は補充作業に時間が掛かる為に日に1回しか巡回できず、しかも夜遅くおこなわれていた。これでは在庫切れを度々起こす事があった。それに加えて、夜間勤務の職員に加算手当を支給しなくてはならず、昼勤務との待遇格差問題も発生しました。

結果として病院側は余計に費用を掛けても患者を直接世話をする午後勤務の職員にも影響して人員の確保が困難となりました。                

 

キットチェックでの解決:


薬剤界の主要な人達はキットチェックがこの問題解決に対応する事ができるとの認識を持っています。 手術室に置かれた麻酔薬保管ドロワーから薬品毎に回収補充を管理するモデルから、薬剤局で専任職員がドロワーを回収、補充を行う事で迅速かつ正確に作業が行えます。そして再準備されたドロワーを手術室では入替えるだけで作業が終了します。

この方法で行うと、3つの重要な点が浮かび上がります。「時間とコストの削減」、「安全性の向上」、そして「作業品質の向上」です。

"現場の職員からは、変える事についての抵抗は少なからずあるものです。しかしながら導入に際しての軋轢は実際はありませんでした。実際に作業時間の短縮を目にして、それ以来あらゆる薬剤にタグを貼れないか探し回っています。”と締め括りました。

 


 

成果 | 83%の時間短縮と在庫切れの解消

 

薬剤科の職員が麻酔薬用システムを使い手作業による回収、補充作業に毎日3時間を掛けていた。"キットチェックを使い薬剤ドロワーごと交換する方式を取り入れてから、30分も掛らなくなった。今では回収、補充を日に2回行う余裕が生まれた。更に在庫切れを起こす事もなくなった。”とブラウン医師は語り、" この変更は麻酔関連の職員達にも喜んで受け入れられた。”と付け加えました。

 

ブラウン医師はさらに話を続け、"トレー作業を進め、そして麻酔薬剤システムで回収、補充作業を行う手作業は退屈で時間のかかる作業です。

キットチェックなら専門職員や薬剤師は個別責任の下で薬剤を検査しなければならない恐れはありません。またメーカーからの薬剤の回収指示に対しても対象薬剤がどこのキットにあるか直ちに知る事ができます。回収指示が出ても、その所在を見つけるために院内のトレーを探し回る必要はありません。こんな無駄な時間は必要ありません。

 

キットチェックはカート、救急車用麻酔トレー、 RSI用キット、L&D用キット、そして PEDIキットに使われています。初年度に45,000以上の治療に6,000キットが使われ、百万回を上る有効期限管理の手作業を省くことが出来ました。

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